短文以上長文未満の妄言

ただ書いていく。

アニメ「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?」3話までのレビューなど


気づいたら話題になっていた「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?」は、読書メーターから話題になったということで、Twitter上でも数年前によく感想を見かけていたのを覚えている。私もセール時につられて電子書籍版を買ってしまったが、翌日には何故か全巻紙媒体で揃えていた記憶がある。現在は「終末なにしてますか?もう一度だけ、会えますか?」シリーズに移行し、物語が進んでいる。

本作の好きなところは、徐々に明らかになってくる真実、世界観だったりする。その構成された世界で、彼は、彼女はどのように生きてきたか眺める、そんな感覚が好きだったりする。

そんな作品のアニメ化である本作の感想などを様々な約束のため、書かなければいけないので書いていく。

以下、ネタバレあり。

 

 大まかなあらすじ

人間の生き残りであるヴィレムはある日、レプリカーン(黄金妖精)の少女クトリと出会う。その後、妖精倉庫の管理人に任されたヴィレムは再びその時のクトリと再会する。彼はそこで、人間とよく似たレプリカーン達と出会い、過去の記憶を思い出して自己嫌悪に陥ったり何やりしながら暮らしていく。

ということで1話から3話までの簡単なレビュー

1話「太陽の傾いたこの世界で」

突然の衝撃的なアバンから始まった1話は、良い感じの曲と共に流れる二人のデート?が少し長めに感じてしんどかったが、原作の内容を再現しつつ、世界観を伝えることに注力している。クトリの空を見上げるシーンは彼女の心情を考えても、結構好き場面である。その後のヴィレムのお風呂シーンこそ、誰が得しているのかわからなかったが。「妖精倉庫」のシーンにおいては、妖精(子供)たちの動きは気合が入っていた。原作続編を意識してのことなのだろうか、2話以降も気合が入っている。ラストCパートのアルマリアとのシーンは、他のシーンと比較すると落ち着いており、今後も重要な場面でこの雰囲気を出してくれるなら嬉しい。

2話「空の上の森の中の」

2話ではオリジナルをある程度含んでいた印象がある。アイセアがクトリに抱き着く描写が、太腿をなぞるだけだったりと、何故か着替えシーンだったのを含めて不思議な改変がされていた。また崖に落ちたアルミタの下りは、原作の「我慢している」と描写されていたところを省いたため、その後のクトリの感情を含め、妖精たちと戦いの関係が少し軽くなってしまったように感じ、残念だった。またクトリの感情面では、物語進行のためか、余計な突っぱねがなくなっているため「普通の主人公にデレデレな女の子」に見えてしまい、辛いものがある(もしかしたら普通にデレデレな女の子なのかもしれない)。あとしんみりしたシーンに流れるあの音楽は、連投されると安いシーンになっていくと思うんだ(元々安っぽい話なのかもしれないが)。また自爆までの理由が若干説明不足に感じたが、ここは敵(ティメレ)が「増殖し」高速で育つ」ため根絶やしにしなければいけないという流れが説明されていなかったからだろう。

3話「この戦いが終わったら」

3話は、今までの中では、ネフレンが映る時間が多いため、とても良い回だった。ギャグとシリアスが交互にやってくるためどういうテンションで見ていいのかわからなかったけれど。特訓のシーンのクトリの感情関しては、後に説明されているからか、感情が追いきれず微妙にきつかった。きつかったと言えば、その後のナイグラートのシーンも、妖精の子供たちとの関係が、どれだけ長いのかなどがわからないため、辛いものがあった。後半パートではようやく、「タリスマン」が出てくるなど情報が与えられ、全体像が見え始めたようにも思える。クトリが飛ぶシーンはよくわからなかったが、ライムスキンとの話し合いと、本音を言ってからのクトリの演技がようやく型にはまったような感覚があり、それまでのはあえて無理していた演技だったのかなと思ったり。しかしながら、あの良い感じの曲は今後何度登場するのか少し気になる(もしかして4話でも流れるのではないだろうか)。次回予告に関しては、続きを知っていても少し驚いてしまい、上手いことやられたと少し悔しかった。

今のところの雑感

原作をオリジナルを含めつつも進めていく様子から、切りのいいところで終えてくれるだろうと期待している。現在3話で1巻のほとんどを消化しているため、このままなら原作5巻を15話で終えることができるかもしれない笑。OPでは、あの子を始め、これからの(ネタバレ)をふんだんに使用しつつ、カッコよく仕上がっているところから、ファンとしては嬉しいところでもある。ただ、話を進めるためかたまに流れが飛んだような印象を受ける。その割に、(私が勝手に)原作で感じていた、主人公たちのやり取りの淡白さがなくなり、妙に情緒的なBGMが挿入されるため「はい、ここ重要なシーン!」と指示してくるようで、好みから外れてしまい辛いものがある。また1巻部分のためか、若干ナイグラートが妖精よりも映る時間が多く、彼女のほうがヒロインよりも印象が強い。
またこちらの世界に人々に優しくない台詞が少し辛い。「〈深く潜む六番目の獣〉」を「ティメレ」と言われたって、「魔力」を「ヴェネノム」と言われたって、Wikiの用語を確認するわけにもいかない。こちらの世界の人々にとっては(例え原作を読んでいたとしても)辛かったりする。現在地を「〇〇番島」などと字幕表記することが許されるのなら、字幕で映してほしかった気もするようなしないような。

これからの展開で気になるのは、今まで省略してきた「設定」をどのように開示するかである。主人公の過去の描写もこの「設定」があるかないかで印象が変わってくるはずである。現状描写されてきた過去の内容は「そんな感じなのね」と納得するしかなく、もしかしたら今後情報が出てきたとしても「え、そうだったの」ぐらいの感情しか見いだせないのかもしれない。
なぜ人間が嫌悪されているのか、勇者とは何か、リーリァはいつちゃんと出てくるのか、敵は何だったのか、なぜおとーさんと呼ばれているのか!(一番どうでもいい)、リーリァはいつちゃんと出てくるのか。これから「なぜ今更」というタイミングで開示されるだろうか、それとも「待ってました」と受け入れられるのか、楽しみではある。

ネガティブなことを書きすぎたようにも思えるが、原作5巻の内容までアニメ化するような原作の勢いを持ちつつ、要所できちんと描写する点において、原作好きとしては嬉しく思っているので、これからも期待していきたい。

 

 ちなみにamazonのBD商品紹介にある「オーディションで小学生を声優に採用」という部分は何をもって価値としたいのか、わからない。

 

 

 

TVアニメ「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」公式サイト