短文以上長文未満の妄言

ただ書いていく。

「艦これ」「デレマス」8話の感想と比較

「ビッグタイトルが放送され」云々の文句を使うことができないほど時はすぎ、されども艦これ8話が再放送されている。とりあえず本来の予定だった11話まで書くはずです。

 

艦これ8話感想

7話でトラック島に着いた吹雪一行を待っていたのは史上最強の艦娘とも言われている戦艦大和だった。彼女に案内されたのはFS作戦のための前進基地。何故かちゃんといる夕立と睦月。入渠が必要な瑞鶴翔鶴とは別に補給に向かう吹雪たち。そこではすでに食事中の赤城とラムネをはじめ、スープやらなんやら。最終兵器だからか彼女は島に一人きり、箱入り娘の状態だった。しかし最終兵器だけに待遇は良いもので施設、食事は豪華なものばかりということなのだろう。と、ここで「ホテル」という言葉が出てくる。史実に基づいている?言葉らしいが、ここでは大和が住んでいる豪華な施設と食事に対して。しかし「ホテルじゃありません」と返す大和の台詞はノルマか、はたまた史実をなぞらえているのか。

ご飯を食べた吹雪たちは赤城、加賀から大和のことを聞かされる。46cm砲が凄いらしいが、どう凄いかはわかりにくい。そこにやってきた瑞鶴翔鶴瑞鶴はいつも通り絡むも、加賀は余裕のお褒めの言葉。少し良い感じのお話である。部屋に入った吹雪は海に出ることができない大和のことを考える。「海に出たい、と艦娘だったら皆そう思う」という台詞は艦娘は普通の女の子とは違う、というニュアンスが感じ取れて辛い。

そして何だかんだで水着回。何故持ってきていた水着は大和ホテルの支給品とでも考えておこうか。もしかしたらいつも水着を付けているのかもしれない。そんなことを考えるも、大和の水着がよかった。北上大井のノルマ、大井の大和への嫉妬?いつもと少し違う大井が見れて嬉しい。そして問題は胸から大和自身のコンプレックスの話に。彼女の気持ちが分かる?吹雪は大和に協力しようとする。しかし長門に止められる。ホテルと揶揄された状況を察して何とかしようとする吹雪からは大和を動かしたくてしょうがなかった何かしらの思いを感じたり。夜、浜辺で大和に出会った吹雪は海に出ようと大和を誘う。誘われた大和もそれに答え艤装を付けて登場。砂に深く沈むところは彼女の艤装か、元の体重のせいか。そしてついに海には出たものの、少し沖に来たしたところで燃料切れ。出撃すら怪しい速さだった。燃料補給としてご飯を食べ続ける大和、と赤城の元に長門秘書官。吹雪へのお叱りのお言葉。問題の解決次第と言われても今後どうやって出撃するのか、簡易食料品でも食べつつ戦うのかなど疑問が出てくる。ともかく規律を破った吹雪は潮干狩り。「あさりしじみはまぐりさん」。そしてここで大和の登場。「皆を守る艦娘」と「ホテルと呼ばれる自分」について話す大和。

場面は変わって長門秘書官。秘書官は大変である。

吹雪の努力あって海鮮オムライス。「レディー」と言いつつ口にクリームを付ける暁。そしてここでまた金剛が「大和ホテル」と。それを聞いた吹雪は何とか大和を海に出そうとする。夕立睦月のやりとりから彼女が気づいたのは船に乗せて運べばいいということ、確かにこれなら燃費が良い、のか?早速試すも動かない。どうも艦娘一人分の重さは(恐らく艤装を含めると)それの重さの比に相当していそうだ。駆逐艦ごときでは運べない。そこで睦月、夕立の2人が登場。彼女たちの協力を得て何とか沖に出た大和。しかし彼女を待ち受けていたのは深海生艦の艦載機。大和の対空電探はどこにと気にする間もない。敵艦載機に対して駆逐艦の対空装備じゃ届かない。危うしだと思ったところに大和の艤装が何故か登場。重かったのはそのせいだろうか。そして流石大和さん。見事三式弾で敵を薙ぎ払う。その場が長門にバレるもしかし、おとがめはなし「甘いでちゅね」。最後に「大和ホテルじゃありません、大和型一番艦大和です」。

今回は成長した吹雪と、彼女と似た大和の話だった。大和の状況を整理すると、強すぎるけど燃費が悪いからとりあえず優遇して閉じ込めておかれていた艦娘。私自身史実の知識はあまりないが、史実の大和もまた出撃が少なくホテルのような内装だったと記憶している。燃費が悪いから動かさないというのは兵器としてはそれで良いかもしれない。しかし艦娘は一方で少女でもある。海に出たいという意思は所謂古の魂の影響だろうか、では皆を守りたいという義務もそこから?そんなことを考えてしまう。吹雪もまた皆と海に出て活躍したいと考える少女だった。彼女と大和との違いは実力があるかどうか。けれども運動音痴というハンデを乗り越えた吹雪は実力のある大和を手助けできるまでに成長していた。そして大和もまた今回で一つ成長?した。「大和ホテル」という汚名は戦後も続いている。これを艦娘の口から否定させるのは作者の思惑的なものも感じられる。作品的にはそれは大和の成長だと言えるだろう。ホテルである自分を受け入れていた自分から艦娘であることを意識した自分。もう一人自分の気持ちが少しでもわかる艦娘がいたからこの考えに至ったのかもしれない。

 

デレマス8話感想

デレマス8話は神崎蘭子の話。彼女の紹介といっても良いだろう。季節は移って夏、私物の持ち込みの話から始まる。立ち直った本田未央の明るさはシンデレラガールズ全体の雰囲気と馴染む。そんな彼女が私物を持ち込みを武内Pに打診する。前回丁寧口調を直そうとする武内Pはとてもドギマギしている。全体の意見は様々、前川みくは真面目。とても良い子。各自一品持ち込む許可が下りたところで、シンデレラ―プロジェクトのCDデビュー第二弾の発表。緊張した前川みく。そんな各自が緊張するなか?決まったのは神崎蘭子だった。一番キャラ濃そうだからね。というわけではないらしい。待っていてくださいと言う言葉を受け、きちんと受け入れる前川みく。場面は代わり、迫力のあるダンスシーンが一瞬映ったところで蘭子と打ち合わせをする武内P。しかし彼女のイメージには少し異なった企画の提案に反発を買い、彼女の言葉を理解しようと新人Pのようにメモを見ながら対応する。蘭子もまた自分のイメージをどうにか伝えようとするもやはり何かぎこちないコミュニケーション。そして言葉のイメージが重要なことだと気づかないプロデューサー。帰り道、蘭子のつぶやきに武内P同様首を傾げるメンバーとうなづくみりあちゃん。

蘭子の悩みは自分のイメージが伝わらないこと。もっと言葉があればと悩みを分かりにくく話す。そして彼女は儀式と称して自分の思い浮かべるイメージをノートに書きとる。言葉ではなく絵で伝えるという魂胆だ。魔道書は蘭子の魂の器らしい。さらに花を見て素直に「綺麗」という彼女からは確かにホラーイメージとは程遠いと分かる。そこに来たプロデューサーはまた別のところでうまくコミュニケーションがとれずにいた。馬の蹄鉄を持ってきた蘭子、ラッキーアイテムと表現されることに納得がいかないのか不思議な焦りがある表情をしている。その後蘭子のイメージする物が異なることに気づいた武内Pは何とか接触するもうまくいかない、しかし蘭子もまた彼女なりに自分のイメージを伝えようと奮闘していた。しかしながら恥ずかしいのか中々うまくいかない。

前回少女を理解することの重要性を感じ取った武内Pは何とか自分で何とかしようとするがうまくいかない。そこに来たのは渋谷凛。今までと同じく少女の目線から武内Pに説得をかける。それに素直に動かされる武内P。他の少女から蘭子のことを聞き彼女の視方を変えていく。そして蘭子との対談。今度はまず自分から彼女を知ろうとする武内P。そんな彼に蘭子もまた応える。そんな中武内Pは蘭子との共通点「ハンバーグ」を見つけ話を始める。ここで蘭子からPへの会話。今度は自分を理解してもらえるのか。今度は、彼女をもっと知ろうとした武内Pは、彼女の気持ちの確信をつく。そこで言葉の連打。自分の言葉で何かを伝えられた蘭子もまた成長できたのだろうか。それをメモ帳ではなく絵で感じ取った武内P。これもまたコミュニケーション。と、ここでいきなりPVに移る。何ともまあカッコイイというか、手が込んだ売り方だ。オチはみりあちゃん。純粋に捉えれば確かにわかりやすい言葉ではあるね。

今回は蘭子と武内Pとの交流回だった。言葉では伝わりづらいものをどう伝えるか。特に神崎蘭子という少女の場合はアイドルという面と彼女の理想が一致しているため少し難しい。それは彼女の理想を伝えるためには、もう一人理想を持っている、素の自分で伝えなければいけないからだ。これを否定されれば理想で覆い隠した自分が傷つくことになる。そんな否定は最初武内Pが蘭子に行ったことであり、その恐怖と、それを行う必要性を同時に彼女に突き付けた。そのためうまく武内Pに近づけなかった彼女だったが、逆に彼から近づいてきたことで安心し自分をさらけ出すことができた。といったところだろう。

「デレマス」「艦これ」8話の比較

今回は少し似ている?

単純な話の構造と言う面で見ると、成長した主人公が別のヒロインに新しい世界を見せる。彼女の思いをくみ取る。という点では類似している。吹雪は大和の悩み、もしくは思いを見出し、彼女を連れだした。その結果大きな変化こそないものの、彼女に自分を肯定させる。新しい世界を魅せることに成功した。武内Pは自分の考えを変えることで蘭子のイメージ、思いを見出し、彼女の思いをくみ取った。その結果彼女は自己実現を図ることができた。ということだ。少し無理矢理かもしれないがそんなところである。

「デレマス」「艦これ」のこれが見たかった?

最初の株主総会、参観日とはよくいったもので、世の中には少なからずクレーマーはいる。もちろん今回の「デレマス」終了後「私はこれが見たかったんだ」という発言もあった。

艦これ」はアラを探し悪いところを指摘することで共感を買う姿勢が、「デレマス」はもう褒めるしかない姿勢。そんな雰囲気がSNSから感じ取れた。「悪いものを悪いと言ったら駄目なのか」「良いものを良いと言ったら駄目なのか」と言われたら、別に悪いわけではない。しかしながら流石にその空気の中でそれに反抗した発言は難しい。ただ艦これ6話に関しては「これが見たかった」のオンパレードのようにも感じる。

より多くの視聴者を抱えるからこそ傾きが顕著になるのだろうか。特に今回は事前に流行っていたという事実が多くの人々を呼んだともいえる。普通そのアニメに至るまでには口コミを知る、宣伝を見るなどの知るところから見るまでのハードルがある。一度流行ったコンテンツは宣伝をある程度クリアしているためその敷居が低いだろう。結果として大きな母体を抱えてしまったというのは大きなリスクのようなものにもなってしまった。

今回両作品に見えた、どちらかに傾いているように見える現象と言うのはどの作品にも起こりうることである。対策として云々などと提案できるわけではないが、たまたまこの両作品にて起こったことは、もしかしたら面白いのではないだろうか。